DETAIL
【一枚革で仕立てた、クラシカルなショルダーポーチ “fave”】
しなやかな丸みと、無駄のない構造美。
「fave(ファーべ)」は、イタリア語で“そら豆”を意味する言葉。
その名のとおり、有機的でやさしい曲線をもつ、クラシカルなショルダーポーチです。
本体は、一枚革を大胆に切り出し、縫い目を極力表に出さずに仕立てました。
そら豆のような自然な丸みを活かすため、革を分割せず、包み込むように成形する独自の製法を用いています。
この厚みのある革を一枚のまま立体構造に仕上げるのは容易ではありませんが、
時間をかけたその仕事が、既製品にはないあたたかな佇まいと造形の美しさを生み出しています。
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◆ 素材に宿る時間と艶 ── ロロマレザー
使用しているのは、日本のタンナーが手がける国産オイルヌメ革「ロロマレザー」。
この革は、インディアンジュエリー作家チャールズ・ロロマの作品から着想を得て誕生しました。
国産のステアハイド(成牛革)を植物性タンニンで二度鞣し、さらにオイルとワックスをじっくりと染み込ませ、
通常のタンニン鞣しより約1.5倍の時間をかけて仕上げられています。
手に取ったときはマットで落ち着いた質感ですが、使い込むうちに内側から艶が現れ、
磨けばまるで宝石のようなツヤが浮かび上がる──そんな、奥行きある表情がこの革の大きな魅力です。
小さな血筋やシワ、微細な傷跡も天然素材ならではの個性。
使い手とともに“育ち”、時間の痕跡を美しさに変えていく革です。
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◆ 日常に寄り添う、静かな頼もしさ
長財布・スマートフォン・手帳・500mlのペットボトルが収まる、ちょうど良いサイズ感。
クラシカルな捻り金具でふたを開閉するつくりのため、磁気による故障の心配もありません。
見た目に反して軽く、約500gの仕上がり。
本革製バッグの重さが気になる方にもおすすめです。
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◆ 金具へのこだわり
留め具にはレトロな捻り金具を、その他の金具には真鍮の無垢材を使用。
真鍮は使い込むほどにくすみと艶をまとい、革と同様に経年変化を楽しめる素材です。
底鋲は、無垢の真鍮材を一点ずつ削り出す「挽物」製法でつくられており、
シャープな形状と高い耐久性を備えています。
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◆ サイズ・仕様
• 本体サイズ:高さ16cm × 最大幅29cm(口幅23cm)× マチ11.5cm
• ショルダー紐長さ:90〜120cm(調整可能)
• 重量:約500g
• 素材:ロロマレザー(国産オイルヌメ革)
• 金具:真鍮無垢材/捻り金具
• カラー:プルーニャ(紫がかった深いブラウン)
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◆ ご使用上の注意とお願い
• 水濡れによりシミや色落ちが生じることがあります。雨天時のご使用はご注意ください。
濡れた際は、乾いた布でやさしく押さえるように拭き取ってください。
• 天然素材の特性として、小さな傷、血筋、シワなどが見られる場合があります。
とくにこのバッグは一枚革で広範囲を贅沢に使用するため、胴部分などに自然由来の痕跡が現れることがあります。
• フタなど目立つ部分は、できるだけ美しい部位を選んで裁断していますが、
ナチュラルな風合いを大切にしているため、完璧な均一さを求める方にはおすすめしておりません。
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◆ 製作について
KALEIDOSCOPEの製品は、型紙の設計から裁断・仕上げに至るまで、できる限り手作業で製作しています。
使っているのは、自ら研ぎ上げた革包丁。
革の表情にひとつずつ向き合いながら、時間と技術をかけて丁寧に仕立てています。
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◆ 最後に
「fave」は、日々を静かに、でも確かに照らしてくれるようなかたち。
使いはじめた瞬間が完成ではなく、
時をともに編みながら、あなたの一部になっていく存在です。
その佇まいが、装いと心に、やさしく調和しますように。