がまぐち長財布 raggio avanico
— 扇のようにひらく、構造の美しさ —
口金に指をかけ、開く。
扇のように広がるマチ。すべてが、ひと目で見える。
小銭も、紙幣も、カードも、通帳も。探さなくていい。迷わなくていい。
財布を開く時間が、少しだけ静かになる。
それが avanico です。
クラッチバッグのように、構える
手に持ったときの存在感は、小さなクラッチバッグのよう。
総革仕立ての張りと重み、凛とした輪郭。
会計の瞬間、ふと視線が止まる。
財布は、持ち主の所作を映すものです。
ワンアクションで、すべてが整う
中央にマチ付き仕切りポケットを2室備えています。
- カード:約12〜16枚
- 紙幣:仕分け収納可能
- 小銭:たっぷり収納
- 通帳:1〜2冊収納可能
ファスナーはありません。
それでも、口金を閉じれば小銭はこぼれません。
設計段階で何度も検証を重ね、安心して使える構造に仕上げています。
“整えよう”としなくても整う。それがこの財布の強みです。
raggioシリーズについて
raggio は、イタリア語で「光線」を意味します。
一本の光が、まっすぐに伸びるように。無駄を削ぎ落とし、構造と機能を明快に整える。
それがこのシリーズの思想です。
piano が軽やかな光なら、avanico はしっかりと広がる光。
用途や感覚に合わせて選べる、同じ哲学から生まれたかたちです。
日本の型押し革
外装には、国産の成牛革に精緻な型押し加工を施した革を使用しています。
まるで本当に編み込まれているかのような立体的な凹凸。
思わず指でなぞりたくなるほど、リアルな表情を持っています。
実際の編み込み革は構造上どうしても二重になり、重量も増します。
この革は型押しでその美しさを再現することで、
一枚革の軽やかさと強度を両立させています。
ほつれの心配がなく、日常使いにも安心してお使いいただけます。
私自身、この型押し技法の完成度と美しさに強く惹かれ、
長く作り続けたいと願っていました。
しかし残念ながら、この加工を担っていた革加工所は廃業となり、
本作に使用している革が最後となります。
静かに、日本の革加工技術を受け継ぐ一枚です。
革と時間
植物タンニン鞣しの革は、触れるたびに少しずつ艶をまとい、色に深みが増していきます。
完成された製品ではなく、持ち主とともに成熟していく存在。
財布は、日々もっとも触れる革。
だからこそ、育つ素材を選びました。
素材・仕様
- 表革:国産型押し成牛革
- 内革:国産たつの市 成牛ヌメ革
- サイズ:T105 × W190 × D25mm
※天然素材のためシボやムラは一点ずつ異なります。
※小傷や血筋は革が生きていた証としてご理解ください。
avanicoは、
整えること。構えること。育てること。
そのすべてを、静かに引き受ける財布です。
私は、
“毎日触れるものこそ、美しくあってほしい”
そう思いながら仕立てています。